2026-08-26 · AI教育
回帰分析と分類問題の基礎 — 「予測する」とはどういうことか
教師あり学習の2大タスク
前回の記事「AIと機械学習の基礎知識」で、機械学習には「教師あり学習」という学び方があると紹介しました。この教師あり学習は、さらに大きく2つのタスクに分けられます。それが回帰と分類です。
一言でいうと、違いはこうです。
- 回帰(かいき): 「数値」を予測する
- 分類(ぶんるい): 「カテゴリ・種類」を予測する
回帰分析とは — 数値を当てる
回帰は、「明日の気温は何度か」「この家はいくらで売れそうか」のように、連続した数値を予測するタスクです。
たとえば「家の広さ」と「価格」のデータをたくさん集めると、「広さが1平米増えるごとに、価格はだいたいこれくらい上がる」という関係性を見つけることができます。これを使えば、新しい家の広さが分かれば、価格をおおよそ予測できるようになります。これが最もシンプルな回帰分析(単回帰分析)の考え方です。
実際には、広さだけでなく「築年数」「駅からの距離」など複数の要素を同時に使う「重回帰分析」もよく使われます。
分類問題とは — カテゴリを当てる
分類は、「このメールは迷惑メールか、そうでないか」「この写真に写っているのは猫か犬か」のように、あらかじめ決まったカテゴリのどれに当てはまるかを予測するタスクです。
答えが「はい/いいえ」の2択なら「2値分類」、3つ以上の選択肢から選ぶなら「多クラス分類」と呼ばれます。
身近な例で言えば、くま予報マップで「出没リスクが高い・中・低」を予測する部分は、この分類問題の考え方に近いものです。
代表的な手法に少し触れてみる
初心者の方が最初に出会うことが多い手法をいくつか紹介します。
- 線形回帰: 回帰分析の基本形。データに最もよく合う直線(または平面)を見つける手法。
- ロジスティック回帰: 名前に「回帰」とついていますが、実際には分類に使われる手法。「はい」である確率を計算します。
- 決定木: 「もし〇〇なら」というYES/NOの質問を繰り返して、答えにたどり着く手法。人間にも仕組みが理解しやすいのが特徴です。
いきなり全部を覚える必要はありません。まずは「回帰=数値」「分類=カテゴリ」という大枠を押さえておけば十分です。
予測の「精度」はどう測る?
分類問題でよく使われるのが「正解率(精度)」という指標です。100件予測して90件正解していれば、正解率は90%になります。
ただし、実はこれだけでは不十分な場面もあります。たとえば「めったに起きない病気の診断」のように、そもそも「起きない」と予測し続けるだけで正解率が高くなってしまうケースがあるためです。実務では、正解率以外にもいくつかの指標を組み合わせて評価します。この辺りは少し発展的な内容になるので、また別の記事で扱いたいと思います。
どちらを使うか迷ったら
「予測したい答えが数値かカテゴリか」を考えれば、回帰か分類かはほぼ決まります。
- 売上、気温、価格 → 回帰
- はい/いいえ、種類、ランク → 分類
まとめ
- 教師あり学習は大きく「回帰(数値予測)」と「分類(カテゴリ予測)」に分かれる
- 線形回帰・ロジスティック回帰・決定木などが代表的な手法
- 予測したい答えの種類を考えれば、どちらを使うべきかが見えてくる
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